実家や空き家を長年所有していても、「今すぐ困っているわけではないから」と、そのままにしてしまっているケースは決して珍しくありません。しかし不動産の売却では、所有者本人の意思確認が何より重要になります。特に所有者がご高齢の場合、「そのうち売ればいい」と考えているうちに、本人による売却手続き自体が難しくなってしまう可能性があるのです。
さらに、空き家を長期間放置していると、建物の管理費用や固定資産税の負担だけでなく、老朽化にともなう近隣への影響も無視できない問題になってきます。
今回ご紹介するのは、池田市神田2丁目にある、10年以上にわたって空き家となっていた古家付き土地の売却事例です。土地面積が小さく、上下水道や電柱といった条件面でも課題を抱えていた物件でしたが、その土地を活かせる買主を見つけることで、無事に売却へとつなげることができました。

今回の物件は、池田市神田2丁目にある古家付きの土地でした。土地面積はおよそ15~17坪と、一般的な住宅用地と比べるとコンパクトな広さです。
所有者様はもともとこの地にお住まいでしたが、10年以上前に地元である四国・愛媛県へ引っ越されました。それ以降、池田市の家には誰も住むことなく、長い間空き家のままとなっていたのです。
今回、当社にご相談をいただいたきっかけは、所有者様の娘様からのお問い合わせでした。所有者様はすでに80歳を超えておられ、その時点ではご自身で不動産売却の意思表示や判断ができる状態ではありましたが、娘様は将来を見据えて不安を感じていらっしゃいました。
「このまま空き家として置いていても、使う予定はない」 「本人がさらに高齢になり、自分で判断できなくなってからでは困る」 「空き家の状態が続くことで、近隣の方にご迷惑をかけたくない」
こうした思いから、「本人が自分の意思で判断できるうちに整理しておいたほうがよいのではないか」と考えられたことが、今回のご相談の出発点でした。
実際に物件を調査してみると、いくつかの課題が見えてきました。まず上下水道です。この物件では、隣接する土地を経由して上下水道が引き込まれていました。加えて、土地の目の前には電柱が立っており、15坪前後という狭い敷地と相まって、車の出入りや工事車両の進入に影響が出る可能性も考えられました。土地そのものが小さいため、建築できる住宅の規模にも自ずと制限がかかります。
一般の方が土地を購入し、古家を解体して自宅を新築するという通常の売却方法では、買主候補がかなり限られてしまうと予想される物件でした。
今回のご相談では、所有者様が80歳を超え、遠方の愛媛県にお住まいだったこともあり、ご家族としては「安心して任せられる地元の不動産会社に相談したい」というお気持ちを強くお持ちでした。
そうした中、知人からのご紹介もあり、当社にご相談いただく運びとなりました。当社が池田市に長年根ざして不動産を取り扱ってきたことも、安心してご相談いただけた理由のひとつだったと思います。
ご相談を受けた際には、単に査定価格をお伝えするだけでなく、池田市周辺でこれまで行われてきた不動産取引の実情も踏まえながら、今回の物件がどのような特徴を持っているのかを丁寧にご説明しました。土地が小さいこと、上下水道が隣接地を経由していること、敷地前に電柱があることなど、売却にあたって不利になりうる点についても率直にお伝えしています。
不動産会社に相談すると、「この物件なら売れます」「この価格なら大丈夫です」と、良い話ばかりが先行するのではないかと不安を抱く方も少なくありません。当社では、物件のメリットだけでなく、買主から指摘される可能性のある問題点についても、最初の段階できちんとお伝えすることを大切にしています。
あわせて、不動産売却がどのような流れで進んでいくのか、一般の個人へ販売する方法と不動産会社へ売却する方法にはどのような違いがあるのかについても、ひとつずつわかりやすくご説明しました。
こうした丁寧な説明を通して、「物件の問題点も理解したうえで対応してもらえる」「高齢の父の不動産でも安心して相談できる」と感じていただけたことが、ご依頼につながったのだと考えています。知人からのご紹介による安心感、池田市での実績、地域への理解に加え、担当・田村の人柄や説明の丁寧さについても信頼をいただき、今回の売却をお任せいただくことになりました。
今回の物件には、土地そのものに複数の課題がありました。しかし、不動産は「条件が悪いから売れない」と決まってしまうわけではありません。大切なのは、その条件を正しく理解したうえで、それを活かせる買主を見つけることです。
そこで当社では、一般の個人のお客様だけを対象とするのではなく、狭小地の取り扱いを得意とする不動産会社にも物件をご紹介しました。15坪前後の土地は、一般的な住宅会社にとっては扱いにくいケースが少なくありません。一方で、狭小住宅の建築や販売に慣れている不動産会社であれば、限られた土地面積の中でどのような住宅を建てられるかを検討するノウハウを持っています。
今回も、そうした狭小地を専門的に取り扱う不動産会社が物件に関心を寄せてくださいました。物件の状態や上下水道の状況、電柱の位置などをご確認いただいたうえで、購入に向けた具体的な条件をご提示いただくことができました。
その価格や条件について売主様にご説明し、ご家族にもご検討いただいた結果、「その条件であれば売却したい」とのご了承をいただき、無事に売買契約を締結することができました。
売却後、敷地内にあった古家は解体され、現在では新しい戸建てが建築され、分譲住宅として活用されています。10年以上にわたって誰も住んでいなかった空き家が、新しい住宅として生まれ変わったのです。
所有者様とご家族にとっても、長年手つかずだった不動産を整理できたことは大きな意味を持ちます。遠方から空き家を管理する負担がなくなっただけでなく、建物のさらなる老朽化によって近隣に迷惑をかけてしまう可能性も、事前に解消できた事例となりました。
父が高齢になってきたこともあり、10年以上空き家になっていた家をこのまま残しておいてよいのか、以前から気になっていました。本人が自分で判断できるうちに売却したほうがよいとは思っていたものの、土地が小さいことや上下水道、電柱の問題もあり、そもそも購入してくれる方がいるのか不安でした。
知人から紹介していただいたご縁で相談しましたが、最初の説明からとても丁寧で、不動産に詳しくない私たちにもわかるように話していただけたことが安心につながりました。物件の良い部分だけでなく、売却するうえで問題になりそうな点についてもしっかり説明していただけたので、納得したうえで話を進めることができました。
特に、「条件が悪いから難しい」で終わらせず、こうした狭い土地を得意とする不動産会社を探すという具体的な方法を提案していただけたことが心強かったです。相談してから、実際に購入を検討していただける会社をご紹介いただくまでの対応も早く、思っていた以上にスムーズに話が進みました。
父は遠方に住んでおり、私たち家族もずっと空き家のことを気にかけていましたので、長期間そのままになっていた不動産を整理できたことで、今はほっとしています。問題がいくつもある物件だったにもかかわらず、最後まで迅速かつ丁寧にフォローしていただきました。
現在は古い建物もなくなり、新しい住宅が建っていると聞き、長らく使われていなかった土地が再び活かされていることも嬉しく感じています。最初から最後まで安心して売却をお任せすることができ、早めに相談して本当によかったと思っています。
今回のご相談で特に重要だったのは、娘様が早い段階から「所有者本人が元気なうちに売却したほうがよいのではないか」と考えておられたことです。
不動産を所有している方がご高齢になると、ご家族から「親名義の実家を売りたい」というご相談をいただくことがあります。しかし、ご家族だからといって、本人名義の不動産を自由に売却できるわけではありません。売却を行うためには、原則として所有者ご本人が売却の内容を理解し、意思表示できることが必要になります。そのため、「いつか売ればいい」と先延ばしにしている間に状況が変わってしまうと、売却までの手続きが複雑になってしまう場合があるのです。
今回のように、今後利用する予定がないことが明確なのであれば、ご本人が元気なうちにご家族で不動産について話し合っておくことも大切だと感じています。
また、今回の物件は土地面積が小さく、上下水道や電柱といった条件面にも課題がありました。こうした物件は、一般市場にただ売り出すだけでは、なかなか買主が見つからないことがあります。しかし、「誰ならこの不動産を活用できるか」という視点で考えることで、売却できる可能性は大きく広がります。今回の場合は、狭小地を扱うことのできる不動産会社に購入していただき、その後、新築住宅として活用されました。
空き家を長期間所有していると、固定資産税だけでなく、建物の管理についても考える必要があります。遠方に住んでいる場合には、定期的に現地へ足を運ぶこと自体が簡単ではありません。
「10年以上使っていない家がある」「親が高齢になってきたので、今後どうすればいいか相談したい」「土地が小さいので本当に売れるのか心配」――そうしたお悩みをお持ちの方は、問題が大きくなる前に、今後について検討されることをおすすめします。
空き家だから、古いから、土地が小さいからと諦めるのではなく、まずは現在の不動産の状況を確認し、どのような売却方法が考えられるのかを整理することが、何よりの第一歩です。