親が急に亡くなった際、残されたご家族が直面する大きなハードルが「相続財産の調査」と「不動産の相続手続き」です。生前に相続の準備や遺言書の作成がされていない場合、「どこに何の財産があるのかわからない」「何から手をつけるべきか混乱してしまう」というケースは少なくありません。
不動産の相続や資産の調査には法律上の期限が設けられているものもあるため、全体の流れと各ステップでの確認事項をあらかじめ把握しておくことが極めて重要です。
本記事では、突然の相続が発生した際における「親の財産の調べ方」と、それに伴う「不動産相続手続きの具体的な流れや注意点」について分かりやすく解説します。
親の資産・財産(プラス・マイナス)の調べ方
相続手続きを正しく進めるためには、亡くなった親(被相続人)にどのような財産がいくらあるのかを正確に把握する必要があります。財産には現金や不動産などの「プラスの財産」だけでなく、借入金やローンなどの「マイナスの財産」も含まれる点に注意が必要です。
(1)プラスの財産の調べ方
・不動産(土地・建物) 自治体から毎年4月〜5月頃に送られてくる「固定資産税の納税通知書・課税明細書」を確認するのが最も確実です。所有している不動産の一覧が記載されています。また、被相続人が所有する不動産がある市区町村役場の税務窓口で「名寄帳(なよせちょう)」を請求すると、私道などの非課税物件も含めた全不動産が把握できます。
・預貯金 自宅にある通帳やキャッシュカード、金融機関からの定期預金満期通知などの郵便物を探します。口座があると思われる銀行等の窓口へ死亡診断書(または除籍謄本)等を持参し、死亡日時点の「残高証明書」の発行および全店照会を依頼します。
・有価証券(株式・投資信託) 証券会社からの年間取引報告書や残高報告書などの郵便物を確認します。取引のある証券会社が分からない場合は、「証券保管振替機構(ほふり)」へ登録口座の開示請求を行うことで、口座が開設されている証券会社を特定できます。
(2)マイナスの財産(負債・借金)の調べ方
・信用情報機関への開示請求 消費者金融やカード会社からの借入、住宅ローン以外のローン等の有無を調べるため、指定信用情報機関(JICC、CIC、全国銀行協会)へ開示請求を行います。また、自宅にある金銭消費貸付契約書や督促状の有無も併せて確認しましょう。
不動産財産がある場合の具体的な相続手続きの流れ
親の財産に不動産が含まれている場合、一般的な相続手続きは以下のステップで進みます。
ステップ1:遺言書の有無の確認 まずは自筆証書遺言や公正証書遺言がないかを探します。公証役場で「遺言検索システム」を利用して公正証書遺言の有無を確認することも可能です。遺言書がある場合は、原則としてその内容に従って手続きを進めます。
ステップ2:相続人の確定(戸籍謄本の収集) 亡くなった親の「誕生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍謄本・原戸籍等)」を収集し、法定相続人が誰であるかを確定させます。
ステップ3:財産調査・財産目録の作成 前述の方法で不動産や預貯金等の財産を調査し、一覧にした「財産目録」を作成します。不動産については法務局で「登記事項証明書」を取得し、正確な名義人や権利関係、面積を確認します。
ステップ4:遺産分割協議の実施と協議書の作成 遺言書がない場合、相続人全員で「どの不動産を誰が継ぐか(または売却して分けるか)」を話し合います。合意に至ったら、全員が実印を押印し印鑑証明書を添付した「遺産分割協議書」を作成します。
ステップ5:相続登記(不動産の名義変更) 不動産を引き継ぐ人が決まったら、不動産の所在地を管轄する法務局へ「相続登記(所有権移転登記)」を申請します。
ステップ6:相続税の申告・納付(該当する場合のみ) 遺産全体の総額が「基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)」を超える場合は、死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に税務署へ相続税の申告と納付を行う必要があります。
不動産相続における重要ポイントと注意点
・相続放棄の期限は「3ヶ月」 マイナスの財産(借金)がプラスの財産を上回っている場合、家庭裁判所で「相続放棄」の手続きを行うことができます。期限は「相続開始を知った日から3ヶ月以内」と短いため、財産調査は迅速に行わなければなりません。
・相続登記の義務化への対応 法律の改正により、不動産の相続登記(名義変更)が義務化されました。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請を行わない場合、過料(ペナルティ)が科される可能性があるため放置は厳禁です。
・共有名義での相続は極力避ける 1つの不動産を複数の相続人で「共有名義」として登記すると、将来的に売却や活用、リフォームを行う際に全員の同意が必要となり、世代を超えて権利関係が複雑化するトラブルの原因になります。
・住む予定のない不動産の売却(換価分割) 誰も住む予定のない実家などの不動産は、所有しているだけで固定資産税や維持管理コストがかかり続けます。このような場合は、不動産を売却して現金化してから相続人で分ける「換価分割」を検討するのも非常に有効な手立てです。
まとめ:早めの調査とプロへの相談がスムーズな相続の鍵
親が突然亡くなった直後は、葬儀や各種手続きに追われて精神的にも大きな負担がかかります。しかし、相続放棄の3ヶ月期限や相続税申告の10ヶ月期限、相続登記の義務化など、期限のある手続きが多いため早めの対応が必要です。
特に不動産が含まれる相続では、価格の査定や名義変更、遺産分割協議書の作成など専門的な知識が求められる場面が多く存在します。
当社では、相続した不動産の査定や売却・活用のご相談はもちろん、提携する司法書士や税理士と連携し、相続手続き全般をワンストップでサポートしております。「実家をどうすればいいか分からない」「まずは不動産の価値を知りたい」という方は、どうぞお気軽に無料相談をご利用ください。
監修者情報

代表 田村 佳寛(たむら よしひろ)
当社は3代にわたって、大阪府池田市エリアで地域に密着して営業活動を続けてきた不動産会社です。
地域に精通した「知識と人脈」を活かして、お客様の大切な不動産の売却に取り組んでおります。池田市の物件に精通した地元出身の代表自らが行っているからこそ、物件の特性、地域情報、相場、成約事例等について詳しくアドバイスすることが可能です。
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