相続した不動産を売却すると翌年の住民税が上がる?上がらないケースと注意点を…

相続した不動産を売却すると翌年の住民税が上がる?上がらないケースと注意点を解説

親などから相続した土地や実家などの不動産を売却した際、「売却した翌年に住民税が跳ね上がって驚いた」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。一方で、不動産を売却したにもかかわらず、翌年の住民税が一切上がらないケースも存在します。

住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、不動産の売却によってどのような影響が出るのかをあらかじめ把握しておくことが極めて重要です。

本記事では、相続不動産を売却した翌年に住民税が上がる仕組みや上がらない具体的なケース、税金を抑えるための特別控除・特例措置について分かりやすく解説します。

  1. なぜ不動産を売却すると「翌年」の住民税が上がるのか?

まず知っておくべきなのは、税金(所得税と住民税)が課税されるタイミングの違いです。

所得税は「売却したその年」の確定申告(翌年2月15日〜3月15日)で納付しますが、住民税は「売却した翌年の6月以降」に課税されます。住民税は前年1月〜12月までの所得を一括して集計し、その金額をベースに算出される「後払い」の仕組みになっているためです。

不動産を売却して利益(譲渡所得)が発生すると、その利益分が前年の所得としてカウントされ、翌年6月から納める住民税(個人住民税)の金額が一気に増加することになります。

  1. 翌年の住民税が「上がる場合」の具体的なパターン

翌年の住民税が上がってしまうのは、不動産の売却によって「譲渡所得(売却益)」が発生した場合です。

譲渡所得は、以下の計算式で算出されます。

譲渡所得 = 売却金額 −(取得費 + 譲渡費用)

・取得費:被相続人(亡くなった親など)がその不動産を購入した際の代金や建築費(築年数に応じた減価償却を考慮) ・譲渡費用:今回の売却で支払った仲介手数料、印紙代、解体費用など

この計算結果がプラス(売却益が発生)になった場合、その利益に対して住民税が課税されます。不動産の譲渡所得に対する住民税の税率は、所有期間によって異なります。

・所有期間が5年超(長期譲渡所得):住民税率 5%(所得税15%と合わせて20.315%) ・所有期間が5年以下(短期譲渡所得):住民税率 9%(所得税30.315%と合わせて39.63%)

なお、相続した不動産の所有期間は、亡くなった親(被相続人)が取得した日から引き継いで計算されます。親が長年所有していた実家であれば、基本的に税率の低い「長期譲渡所得(住民税5%)」が適用されます。

  1. 翌年の住民税が「上がらない場合」の3つのパターン

不動産を売却しても、必ずしも翌年の住民税が上がるわけではありません。以下のいずれかに該当する場合は、住民税が増額することはありません。

(1)譲渡所得がマイナス(譲渡損失)になった場合 購入時の価格や売却時の諸費用を差し引いた結果、利益が出ずマイナス(赤字)になった場合は、課税対象となる譲渡所得が存在しないため、翌年の住民税は上がりません。

(2)3,000万円特別控除(空き家の3,000万円控除等)を適用して所得がゼロになった場合 相続した不動産に関する特例措置を活用し、控除を適用した結果として譲渡所得が0円になった場合も、住民税は上がりません。 代表的なものとして「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」があります。一定の要件(昭和51年5月31日以前建築の戸建て、一人暮らしの親の死亡により空き家化、耐震改修または解体後に売却など)を満たす場合、売却益から最高3,000万円まで控除できます。

(3)居住用財産の3,000万円特別控除(自身が住んでいた場合) 相続した不動産に自分自身が住んでマイホームとして利用した後に売却した場合、自身が対象となる「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用可能です。こちらも売却益が3,000万円以内であれば課税されず、翌年の住民税も上がりません。

  1. 住民税が上がることで生じる「その他の落とし穴」

翌年の住民税が上がると、単に税金の支払いが増えるだけでなく、行政サービスや自己負担額に影響が及ぶケースがあります。

・国民健康保険料(税)の値上げ 自営業者や退職者などが加入する国民健康保険料は、前年の総所得金額を元に計算されます。不動産の売却益によって前年所得が増えると、翌年の保険料が上限額まで上がってしまうことがあります。

・介護保険料や医療費の自己負担割合の増加 高齢者の場合、前年の所得によって介護保険料の段階が上がったり、後期高齢者医療制度における窓口負担(1割から2割・3割へ)が増加したりするリスクがあります。

・確定申告をしないと特例が使えない点に注意 上記で紹介した「3,000万円特別控除」などを適用して売却益をゼロにし、住民税を上げないようにするためには、必ず「確定申告」を行わなければなりません。「控除を使えば税金は0円だから申告しなくていい」と放置してしまうと、特例が適用されず、高額な住民税が請求されてしまうため十分注意してください。

まとめ:売却前に翌年の税金シミュレーションを行おう

相続した不動産を売却する際、売却金額だけに目を奪われがちですが、「売却益が出るのか」「翌年の住民税や保険料にどれくらい影響するのか」を事前に把握しておくことが大切です。

特に相続不動産の場合は、被相続人が購入した当時の売買契約書(取得費が分かる書類)の有無によって税額が大きく変わるため、事前の調査とシミュレーションが欠かせません。

当社では、相続不動産の売却査定はもちろん、提携する税理士と連携して売却後の税金や翌年の住民税への影響を見越した資金計画のアドバイスも承っております。「実家を売却すると翌年の税金はどうなる?」とお悩みの方は、ぜひお気軽に無料相談をご利用ください。

監修者情報

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代表 田村 佳寛(たむら よしひろ)

当社は3代にわたって、大阪府池田市エリアで地域に密着して営業活動を続けてきた不動産会社です。
地域に精通した「知識と人脈」を活かして、お客様の大切な不動産の売却に取り組んでおります。池田市の物件に精通した地元出身の代表自らが行っているからこそ、物件の特性、地域情報、相場、成約事例等について詳しくアドバイスすることが可能です。
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