
今回ご相談いただいたのは、箕面市桜に複数の不動産を所有されていたお客様からの、売却および資産整理に関する案件でした。
対象となる不動産は、木造2階建ての賃貸アパートと、隣接する土地に建つ連棟式の貸家(4戸)という、収益物件が複数まとまった形で存在する資産でした。これらはお母様が長年にわたり主体となって管理・運用されてきたものであり、安定した賃貸収入を生み出してきた大切な資産でした。
ご相談時点ではすでに親子での共有名義となっており、将来的な相続を見据えた整理の必要性が高まっていました。そのような中で、今回のご相談の背景にあったのは、お母様の強いご意向でした。「自分が元気なうちに、娘が困らないようにしておきたい」——そのひと言が、今回のご相談の出発点でした。
娘様は専業主婦であり、不動産に関する知識や経験はほとんどない状況でした。相続が発生した後に複雑な資産をそのまま引き継ぐことへの不安は大きく、「母が元気なうちに、できる限り整理しておきたい」というお気持ちが、ご相談の根底にありました。
また、今回のご希望として特徴的だったのは、「すべてを一度に売却するのではなく、一部のみ先行して売却したい」という点でした。具体的には、アパートは引き続き保有しながら、連棟の貸家4戸のみを先行して売却したいというご意向でした。
しかしながら、現状のままでは土地が一体となっているため、一部のみを切り出して売却することはできません。売却を実現するためには「分筆(ぶんぴつ)」、すなわち土地を物理的・法的に分割する手続きが必要でした。
さらに本件では、単なる現時点での分筆にとどまらず、将来的にアパートを売却する可能性や、建替え・再活用のしやすさといった長期的な視点も同時に考慮する必要がありました。「今の売却」と「将来の売却」を同時に設計しなければならない、先を見据えた判断が求められる案件でした。
お客様が当社へご相談いただいた背景には、いくつかの理由がありました。
まず評価いただいたのが、地域密着での豊富な実績と情報力です。箕面市を含む北摂エリアでの取引実績が多く、地域特性や需要動向を踏まえた具体的な提案ができる点に安心感を持っていただきました。
また、物件のメリットだけでなく、分筆に伴うリスクや注意点についても率直に説明した姿勢も信頼につながりました。土地の分割は一見シンプルな作業に見えて、将来的な資産価値に大きく影響する重要な判断です。そのメリットとデメリットを包み隠さずお伝えしたことで、お客様に納得感を持って進んでいただくことができました。
さらに、単なる売却提案にとどまらず、「将来まで見据えた資産設計」をご提示した点も大きな決め手となりました。目先の売却だけを考えた提案ではなく、「次に売るときも有利になる形を今から整える」という視点に、お客様から強くご共感いただきました。
加えて、担当者の誠実な人柄や押し付けのない対応、迅速なレスポンスも安心材料となりました。お母様からは「自分がいなくなった後も安心して任せられると感じた」というお言葉をいただいており、長期的な信頼関係を築けたことが、その後のアパート売却にもつながりました。
本件において最も重要だったのは、「将来の活用まで見据えた分筆設計」でした。
まず、全体の土地について詳細な測量を実施し、現状の境界および面積を正確に把握しました。その上で検討したのが、どの位置で分割するか、どのような形状にするか、接道条件をどのように確保するかという点です。
単純に現在の建物の配置に合わせて分割するだけでは、将来的に売却や建替えがしにくい土地形状となってしまう可能性があります。そのため本件では、売却対象となる連棟部分が整形地に近い形になること、将来アパートを売却する際にも評価が下がらない区画であること、建替えや再開発がしやすい接道条件を確保することという三点を特に重視しました。
これらの条件を踏まえながら複数の分筆パターンを検討し、お客様と丁寧に協議を重ねながら最適な区割りを決定。正式に分筆登記を行い、売却対象となる土地を独立した不動産として成立させました。
続いて、連棟の貸家部分の売却活動に入りました。収益物件としての評価と将来的な建替え可能性の両面から、投資家および不動産会社を中心に販売活動を展開した結果、条件に合致する買主様が見つかり、無事に売却が成立しました。
そして本件の最も特徴的な点は、その後の展開にあります。数年後、お母様がご逝去され、アパート部分についても売却のご相談をいただきました。このとき、事前に行っていた分筆設計が大きな効果を発揮しました。土地形状が良好であること、接道条件が明確であること、再建築・開発がしやすいことといった点が高く評価され、スムーズに買主が決定し、好条件での売却を実現することができました。
結果として、連棟部分の先行売却とアパート部分の後年売却のいずれも成功し、資産全体として高い価値を維持したまま整理を完了することができました。
「母が元気なうちに相談できて、本当に良かったと思っています。
私は不動産のことが全く分からないので、もし突然相続することになっていたら、どこから手をつければよいのか分からなかったと思います。何をどうすればいいのか、誰に聞けばいいのかも分からないまま、ただ途方に暮れていたかもしれません。そういう意味でも、母が元気なうちに動いてくれたことに、今でも感謝しています。
今回、分筆の段階から丁寧に説明していただき、『今だけでなく将来のことも考えて形を整えることが大切』ということを教えていただきました。最初は連棟部分だけを売却するというイメージしか持っていませんでしたが、その後のアパート売却まで見据えて提案していただいたことで、結果的にすべての資産を良い状態で整理することができました。
母も『これで安心できる』と話していたことを覚えています。生前にそう言ってもらえたことは、私にとってもとても大きなことでした。
担当者の方の対応もとても丁寧で、分からないことがあってもすぐに答えていただけたので、専門知識がない私でも不安なく進めることができました。何年にもわたるお付き合いの中で、いつも誠実に対応していただいたことに、心から感謝しています。
最終的にすべての売却が無事に完了し、気持ちの面でも大きく楽になりました。お願いして本当に良かったです。」
本件は、「今の売却」と「将来の売却」を同時に考える必要がある、非常に重要な案件でした。
不動産は一度分割してしまうと元に戻すことが難しく、その判断が将来の資産価値に大きな影響を与えます。そのため、目先の売却だけを優先するのではなく、「将来この土地がどのように活用されるか」という長期的な視点を持つことが不可欠です。今回のケースでは、分筆の段階で将来の売却・再開発を見据えた設計を丁寧に行ったことが、数年後のアパート売却においても高い評価につながりました。「先を見て形を整える」という判断が、長い時間をかけて実を結んだ案件でした。
また、お母様の「子どもに負担をかけたくない」という想いを形にできたことも、今回の案件における大きな意義の一つでした。相続不動産は、単なる金融資産ではありません。そこには家族の歴史があり、次の世代への想いが込められています。その想いを丁寧に受け取り、最適な形で次の世代へつないでいくことが、私たちの本来の役割だと考えています。
数年にわたるお付き合いの中で、節目ごとにご相談いただき、最終的にすべての資産を良い形で整理できたことに、担当者として大きな喜びとやりがいを感じています。
「将来の相続に備えて今から資産を整理しておきたい」「不動産を持っているが、何から手をつければいいか分からない」とお考えの方は、ぜひ早めにご相談ください。今の状況だけでなく、将来を見据えた長期的な視点からの提案を、誠実にお届けいたします。
監修者情報

代表 田村 佳寛(たむら よしひろ)
当社は3代にわたって、大阪府池田市エリアで地域に密着して営業活動を続けてきた不動産会社です。
地域に精通した「知識と人脈」を活かして、お客様の大切な不動産の売却に取り組んでおります。池田市の物件に精通した地元出身の代表自らが行っているからこそ、物件の特性、地域情報、相場、成約事例等について詳しくアドバイスすることが可能です。
不動産の売却を検討中のお客様は、お気軽にご相談ください。
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